おいしいとたのしいのメモ帳

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【nunc nusq(ヌンクヌスク)】新緑に佇む古民家カフェ

名古屋市昭和区鶴舞公園内にあるnunc nusq(ヌンクヌスク)にお邪魔してきました。

素敵な外観です。築110年の古民家を改築したそう。

 

ランチの時間は過ぎていたので、店内はお客さんが少なかったです。席は好きな場所に座れました。

 

ケーキはショーケースから選ぶ形式。可愛いケーキが所狭しと並んでいました。

ピスタチオとダークチェリーのタルト ¥670

今日選んだのはこれ。ダークチェリーが中にごろごろ入っていて、大満足でした。

 

ストレートティーアールグレイ) ¥580

紅茶が運ばれてきたとき、ベルガモットの香りがふわりと……!

渋みが少なく、すっきりとした味わいです。

ポットから自分で注ぐ形式でしたが、中に茶葉が入ったままになっておらず、決まった時間で抽出されているようです。こだわりを感じます。

 

静かなカフェで、のんびりとした時間を過ごせました。

ランチが人気のお店みたいなので、次回はお昼に行ってみたいです。

映画『陰陽師0』現代の平安ラブストーリー


映画『陰陽師0』を観てきました。

私は、原作の夢枕獏陰陽師』シリーズが大好きで、メディアミックスされるとどうしても比較してしまうのですが、晴明と博雅のキャラクター像や、呪という概念など、重要な部分は大きな変更なく、とっても楽しめました。

というか、原作の根幹は全くいじっていないのに、オリジナリティあふれる映画となっていて、純粋に素敵な作品だなと思いました。

 

この映画で印象に残った点は、以下の3つです。

①博雅と徽子女王のラブストーリー ②華やかな衣装 ③帝のキャラクター

 

①博雅と徽子女王のラブストーリー

特に、奈緒さんが演じる徽子女王の心情の機微が素晴らしかったです。

博雅から文を渡され、「ついに想い人から告白される!」と目を輝かせる姿。しかし、帝からのものだと分かり、失望する姿。

純真な女性が、恋と身分に翻弄される様子は、危うい美しさを感じさせます。

博雅に「あなたからの文が欲しかった!!」と気持ちを吐露するシーンで、目に涙を張った表情は、本当に不憫でこちらの涙も誘われました。

しかし、博雅の恋は実らないのが『陰陽師』でのお約束……。

徽子女王が最終的に入内を納得できたのが救いだなと思います。

 

②華やかな衣装

平安時代の柔らかで豪華な衣装が目を引きました。

メインキャラクターの中で唯一の女性である徽子女王の衣装は、若々しいピンク系統。前髪の上にお花を挿してあるのも、奈緒さんの可愛らしいお顔立ちによく似合っていました。

平安物でよく見る「十二単」ではないのは、当時の絵巻物から発想を得たためだそう。衣装を手掛けた伊藤佐智子さんのインタビューによると、「平安中期は、位の高い人ほど裸に近く、重ね着をしなかった」ようです。

たしかに、デコルテの見えたデザインは、抜け感を演出していながら、身分の高い人の鷹揚さも想像されました。

男性陣の衣装も、博雅はきっちり着こなして真面目そうな人柄を表していたり、晴明は陰陽寮の学生として粗末でありながらも主人公らしいくっきりとした青色だったりと、語るとキリがありません。

現代人の美的価値観と平安衣装の調和が優れていて、見ていて目が楽しかったです。

 

③帝のキャラクター

原作で、晴明にいつも「あの男」呼ばわりされている帝。この映画ではけっこうな頻度で出演します。演じるのは板垣李光人さん。

若くけだるげな印象ですが、帝としての気品ももちろん感じさせます。女性が周りにたくさんいたりだとか、囲碁を打ちながらの片手間に陰陽頭と話していたりだとか……。

ちょっとクズっぽいです。そこが素敵です。

これは晴明に「あの男」呼ばわりされるのも頷けます。

 

 

全体として、「令和の陰陽師」という感じでした。平安物に親しんでいない層にも分かりやすく作られていたと感じますし、アクションやCGも規模が大きく見ごたえがありました。

とっても面白かったです。